カエデノオト

カエデのある家の住人のノート。いろいろごちゃまぜ、これが私。

保険の記事に遭遇して思ったこと。

SNSに流れてきた記事から。

一定の収入や貯蓄があれば、医療保険も、必ずしも必要ではないとアドバイスされました。日本では、高額療養費制度が充実しており、ばく大な医療費がかかった場合も、負担が大幅に減るからだといいます。

保険値上げで家計直撃!賢い見直し術とは - NHK クローズアップ現代+

いまから5年ほど前のお正月、ひとりぐらしの母親が救急車で運ばれて、即手術という事態が起きた。「急性大動脈乖離」という病だった。まったく、全然、想定していなかったことだった。

私ときょうだいとでいろいろばたばたと乗り切り、母親は1ヶ月後には無事退院、まぁもちろんいろいろあったが少しずつ日常生活に戻り、今はすっかり元気である。私自身も小さい娘はいるわなんだかんだで今思えば「キーッ」みたいなことになっていたわけだが、当時はとにかく必死で夢中で、キレている暇などなかった(そんなふうにして人生の事件は乗り越えていけるものなのかもしれないと思った)。

 

で、その時に知ったのが、健康保険に加入していれば適用される「高額医療制度」のこと。

高額な医療費を支払ったとき | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会

母親はこのとき、ものすごい手術費用と1ヶ月ほどの入院費用を支払わなければならなくなった。幸い、蓄えからなんとかなって、退院後に銀行から引っ張り出して精算したのだが、精算前に病院からこの制度の説明を受けていた。この制度によって、退院後一旦支払った費用のうち、「えっ」と驚くような金額が戻ってきた(入院が決まってすぐに手続きをしておけば、一旦支払う必要もない。はじめから自己負担額だけの支払いですむ)。

ものすごい助かった。なんとか支払えたとはいえ、母親の老後の生活に大きな影響のある金額だったから。

「健康保険て高いよねーあんまり病院いかないのにさ、自己負担はどんどん増えるしさ。なんなのよね」などと言っていた健康保険に心からごめんなさいを言いたくなった。こういうときに助けてくれるのが健康保険なのだ、日本はこういうのが充実しているのか。ありがたい。日本えらい。すごい。心からそう思った。

 

で、一段落したとき、このことについて弟が言った。

「この制度があるのだから、もしかしたら、フツーの入院保険はいらないのかもしれない。ある程度貯金をしておけば」

私も、同じようなことを思った。

母親が大昔に加入していたなにかの保険から、ほんの少し保険金が下りたのだが、なんというか、こちらは笑っちゃうような小さな額だった。大昔とはいえ、そこそこの保険料を払っていただろうに、なんとも、見合わないと思えるような額だった。100万単位の数字を手術の請求書で見ていたから、実際の価値より少額に感じた。ありがたい、と思うことのない保険金。そのために長くはらう保険料。これって、どうなのよ。

 

私はこのときまで「高額医療制度」というものを知らなかった。たぶん、弟も母親もそう。こんな私は世の中の多数派なのか、少数派なのか。周囲にもけっこう、知らずにいる人は多い。なぜ知らずにここまできたのだろう。

娘はいま小学生で、勉強がどうだとか公立中がやばいとか受験するならこうとかこのあたりの大学行くならこのへんの塾でとか英語とかプログラミングとか、そういう話が周囲に蔓延しているのだけれど、それよりも、世の中にあるこういった制度の存在とか、なぜその制度があるのかということとか、この先の見通しとか、おおきなお金の使い方とか、そういうことを教えてから社会に送り出してやるべきなのではないだろうかと思ったりしているのだよね。。。

振り返ると、わたし、あまりそういう話を親や学校から聞いてこなかったよ?

冒頭のリンク先、高額医療制度の詳細説明ページを見てみると、母親が利用したときから金額が変わっている。負担額が増えている。社会保障が削られていっているということでしょ。何故なのか、これでよいのか、どうすればよいのか。若者達がそういったことを少しでも考えて選挙に出かけなければ、これからの世の中キビシイことばかりになってしまうような気がしている。よく「もう自分は死んでるから、いいけど」みたいなことを言ってしまいがちだけど、我が子が生きる世の中だと思うと、少しでもよりよい社会であってほしいと自然と思うわけなのだ。